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2006.06.04

LRTのシンポジウムに行ってきました

前に紹介した「今出川通の交通まちづくりとLRT」のシンポジウムに行ってきました。
会場に行くと、地元のひとが大半で、(町内会の回覧板で広報されたそうです。)でいわゆる鉄ちゃんの姿は少なかったです。

最初に市の都市計画局長さんの挨拶があり、つづいて都市計画局の担当者さんから、京都市の「新しい都市交通システム検討結果」についての報告がありました。

それによると市では平成15年度から、「歩くまち・京都」をテーマにあたらしい京都の都市交通のあり方を検討してきたそうです。そこからLRTの導入が提案され、何路線か計画されたうち、この今出川線(出町柳-白梅町 4.1km)と四条・河原町・御池・烏丸を回る小環状線をモデル区間にとりあげたようです。

次に、同志社大学教授で交通政策が専門の青木真美先生による基調講演がありました。他都市、特にヨーロッパの先進事例を挙げて、LRT導入の意義やメリットの説明がありました。
わたしも、一応はLRTについては知っているつもりでいましたが、専門家の先生の話を聞いてうなずいたり、感心したりしてきました。

今日のメインのパネルディスカッションに入ります。司会は青木先生、パネラーは地元代表者3名、京福電鉄の鉄道部長、市都市計画局室長の5名です。
まず、司会者の説明があり、最初に「今出川通りにLRTを作る計画についてどう考えるか。」についてパネラーが順に意見を述べます。
地元でも賛否両論があり、また予定線との遠近がそのまま温度差にあらわれる事情がよくわかりました。
地元は西陣織を中心とした和装産業の町ですが、近年、和装産業が低迷し、この街づくりが産業振興や観光客誘致に効果があるのか?といった意見も出ていました。

京福電鉄からは、まず京福の現状の説明があり、乗客は漸減傾向にある、全線均一運賃や一日乗車券の値下げ、北野線の嵐山直通運転などの増客手段を講じている。などの報告がありました。

市の担当者からは、まず「LRTは市電とはちがう」「LRTは路面電車である、市電は路面電車である、したがってLRT=路面電車=市電」の図式は成り立たない。との説明があり、ある意味でびっくりしました。私としては、「LRTは従来の路面電車(ちんちん電車)の発展したもの。」との考え方がありましたが、市の説明では、かつての市電を復活させるのではなく、新たに新型軌道系交通機関を構築するのだそうです。
市電の再開では、かつての市電廃止の政策の誤りを認めるとも取られかねないので、こう表現すると受け止めるのは、考えすぎでしょうか?

発言が一巡すると、こんどは「LRTを導入するにはどのような手段をとればよいか。また、そのための問題点はなにか。」について各人が発言しました。

地元からは、やはりLRTが地元の発展に直結するようにして欲しい。軌道の新設による自動車の規制・抑制の不満や不安の声が多かったです。
京福からは、相互乗り入れが行なわれるのであれば前向きに検討はしたい、ただ現行の車輌や施設の改良の財源、運賃やダイヤの調整、車庫の確保など現実的な問題点が提起されました。

市からは、自動車の抑制のため、パークアンドライドをはじめとする交通社会実験を行なって、いろいろとデータを集めたいなどの説明がありました。財源は、海外でも公共交通機関は都市のインフラの一部として、補助金を出して運営を助けている。駐車料と乗車券を一体とした、パークアンドライド一日乗車券の発売などの事例が紹介されました。

最後に司会者がまとめを行い、会場の参加者から出た質問に答えて、セッションは終了しました。

Line_05

一市民としての感想は、計画はなかなかよく出来ている。とくにモデル路線を2本に絞ったところは、総花的にならなくて評価できると思います。
ただ、路線が単線で計画されている、京福・叡山との相互乗り入れを予定している、車庫用地の確保が難しい、なにより市民レベルに浸透しているとは言いがたい? など、問題点も感じられます。

しかし、私の気持ちが、いままでの「どちらかといえば反対」から、「条件付で賛成」へ転換したことは事実です。

お遊びで、LRTの開業後の今出川通りのイメージ図を作ってみました(笑)
緑濃い、京都御所と同志社のキャンパスの間を快走するLRT、車内にそよ風が吹き込み観光客も学生さんも気持ちよさそうです。(上)
上京総合庁舎前付近の狭隘区間をすり抜けるLRT、道路改築等で紛糾し、路線新設の一番の難所でした。(下)
Lrt01Lrt02

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コメント

おはようございます、京都にもLRT導入の機運が出てきたのですね。
拙ページにも、勝手な私論を書いてみました。
時間のあるときにでも見て笑ってやってください。m(__)m

ねこさんのご意見を拝見しました。

特に、
>>地域社会の発展のためのゾーン経済圏(LRT沿線を中心とした電子マネー経済圏)なるものを検討するのが本当の意味でLRTを生かし、町を活性化する素ではないかと考えます。

との意見は、頷かされます。会場では出ませんでしたが、電子化社会ならではの、妙案だと思います。

新公共交通などというと、どうしても線路や電車の新設、車や歩行者対策といったハードの面やソフト面もその施設の作り方(財源など)や使い方(運営主体・運営方法)に限定した議論になり勝ちです。

地元の方からの質問で、地域振興や交通渋滞の緩和といった内容が多く出されていましたが、「まずLRTの新設ありき」ではなく、このような広い視野にたった街づくりの方策のひとつとして、「LRTの新設も考えられる」といった論調で話を進めるのは大事なことと思います。

結論として、別の公共交通手段を整備することになっても、地元の納得が得られれば、それが一番なのでしょう。

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