妹尾河童さんの自伝小説「少年H」を久しぶりに読みました。十年ほど前に文庫本化されたときに、一度読んだことがあるのですが、どこかへやってしまって、最近古本屋で見つけてきました。
今年の春に神戸地下鉄の30周年のイベントのとき、たまたま地元の年配の鉄道ファンの方とお話しする機会がありました。その日は3月18日だったのですが、私が京都から来たというと、「60年前の3月19日に神戸の町が空襲され、自分も焼け出された、それで京都の銀閣寺の近くの親戚宅へ疎開し、昭和30年頃までいた。叡電もよく乗ったなつかしい。」と、昔語りをしていただいたのです。
昭和20年春に大阪や神戸が空襲を受けて焦土と化した話は、わたしも知っていますが、実体験された方の話を、鉄道イベントの会場で聞くとは思いませんでした。ある意味ショックでした。HPの当日の写真日記には、戦中・戦後の話はなにも書いていませんが、ずっと気にはなってはいました。それでもう一度この本を読んでみることにしたのです。
この本には、発売当初から「誇張されている。」とか「ええかっこばかりしている。」とか「子供がこんなこと考えるのはおかしい。」といった批評があったそうです。でもこれは実体験も基づいているとはいえ、あくまで「小説」です。 作者の「戦争はいやだ。」という意思が読者に伝わればそれでよいと思います。すくなくともわたしは、筆者の考えに共鳴します。 ** ** ** **
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