秋の夜長より、冬の引き籠りの日々(笑) の方が読書には向いているようで、色々と読んでいます。
その中から気に入った何冊かを紹介します。今日は、内藤正人著の「浮世絵再発見」を。
この本には「大名たちが愛した逸品・絶品」という副題がついています。「浮世絵といえば、庶民のもの。大名や公家いった当時の上流階級のひとが見るものではない。」というのが、浮世絵に対する一般常識のようですが、著者はそれにいろいろな作品や資料を提示して、「実は、高貴な方々も浮世絵を愛好されていたのだ。」と教えてくれます。
私も、この本を読むまでは、これを知らず、この本を手に取ったときも、「再発見」の文字に釣られて、「また外国か好事家の手に渡っていた知られざる逸品を紹介してもらえるのかな?」という気持ちで読み出しました。 でも、序文を読むと、まったく違う、大げさに言えば常識破りのテーマの本と気がつきました。
葛飾北斎の「西瓜図」が天覧に浴されていたり、将軍の前で画技を披露していたり、尾張徳川家の幼君が武者絵に夢中だったり、甲子夜話で有名な松浦静山公が浮世絵のコレクターだったり、寛政の改革の松平定信公が実は趣味人で、戯作者を弾圧しておきながら、裏では自分で小説を書いていた(^^♪などなど、
知らない(その道のひとの間では公知なのでしょうが(^^ゞ 話がいっぱい出て来て一気に読み終わってしまいました。
いままでは、ただ「きれいだなぁ」で終わっていた浮世絵に対する知識がぐっと広がりました。それと「やはり雲の上の人々もやはり人間だなぁ。タマには生き抜きもしたいよネ(笑)」とにわかに将軍様やお殿様が身近に感じられるようになりました。
江戸文化にご興味の方は一読をお勧めします。 |
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