先月半ばに開催された、水津俊和さんの個展とそこで紹介されていた、画集の話題です。 京阪の広報誌「K-PRESS」でも紹介されていたので足を運ばれた方もおられるかもしれませんが、私も新型インフル騒ぎの中、マスクをつけて画廊に行ってきました。
今回の個展では、新作を中心に、50点ほどのスケッチの原画が展示されていました。ふだん見慣れた京阪沿線を中心に、関西の名所・旧跡や文化財建築物が鉛筆コンテで詳細に描かれ、淡く水彩で彩色されています。
京阪をよく利用するひとは、広報誌やポスター、プリカのイラストで、水津さんの作品を目にすることは多いと思います。実はわたしは画廊で、ご本人のプロフィールを目にするまで、水津さんが京阪の社員で、広報部門にお勤めとは存知あげませんでした。
作品があまりに素敵なので、てっきり京阪専属のプロの画家のかたと思ってました。でも、「美術系の高校を出て、社会人になられてからも、休日にスケッチを楽しまれ、また自宅のアトリエで本格的な油彩・水彩を描き、作品を公募展に発表されるハイアマチュア画家のひとり。」と聞けば納得です。
さて、水津さんの作品を拝見しての感想ですが、目的物だけでなく、まわりのようす、たとえば電柱とか電線とか標識とか看板とか、背後のビルとか、駐車中の車とか通行人とか、芸術作品を作ろうとすると、とかく邪魔で、目立たなくしたい、消したいと、考えそうなものまで描き込まれていることに、作者のスタンスを感じました。
なんでも写りこんでしまう写真ならいざしらず、画家の考えひとつで、省いたり、変えたりできる絵画でなら、たとえば雲形を使って省略することはよく行われる技法ですし、写真でも、今やレタッチは当然のように行われています。
作品に添えられたコメントでも、「背後のビルが気になる。」とか「狭い路地でのスケッチは難しい。」とか書かれてますが、そこをあえてそれとなく画面に取り込んで、作品に臨場感を与えるところが、やはりプロやハイアマチュアと、われら下手くそ作家の違いなんでしょうね(笑)。
十年前の2000年春には、京阪電鉄開業90周年を記念して、スケッチ集を出されております。来年はいよいよ開業100周年。記念事業の一環で、また画集が発表になることを期待したいです。 * |
|
|
 |
« 新型インフルもようやく沈静化か? |
トップページ
| 【京阪】2515号車も新柄モケットに »
« 新型インフルもようやく沈静化か? |
トップページ
| 【京阪】2515号車も新柄モケットに »
絵画はディフォルメも作風の一部だと考えられてきたんでしょうね。それによって多くの感動が与えられてきたのも事実なんだと思います。
私の写真じゃどう弄ろうと”作品”には至りませんが、いろいろな形が許容される世の中であって貰いたいものです^^。
投稿: りばてぃ | 2009.06.06 16:39
こんにちは。
私に、もし絵心があって、「鞍馬駅」へスケッチに行ったら、たぶんワンマンミラーとATS地上子は、描きこまないでしょうし、点字ブロックも白線に変え、電車は600型を停め、電柱も木柱にして・・・・・・ と、昭和末期の心象風景をカンバスに再現したいところですが(笑)
投稿: なかっちょ | 2009.06.06 22:25