「京都検定」参考書シリーズの2冊目です。
江戸初期に成立したとされる小噺集「きのふはけふのものかたり(昨日は今日の物語)」を紹介します。
今の落語の小噺の元祖のような本ですから、面白くない訳がありません。書かれている内容は昔話ですが、そのエッセンスは、狂言から川柳、狂歌、落語、と続き、今のお笑いネタから四コマ漫画へと受け継がれ、今も十分通用します。 教訓的な話、たわいもない馬鹿話、そしてちょっとHな艶笑噺と続きます。
ひとつの話は、数行からせいぜい1ページ以内の小噺ですが、上下巻合わせて、150話、それに丁寧に、現代語訳と注釈、さらに類似の物語や川柳などが載せられているので、なかなか読み進みません(^^ゞ
同じような話が延々と続くのですが、そのつど笑ってしまいます。
(小噺その一) むかし天下を治め給ふ人の御内に、傍若なる者どもあつて、禁中へ参、「陣にとらう」といひて、槍の石突をもつて御門をたゝく。
御局たち出あひ給ひて、「是は内裏様とて、下々のたやすく参るところにてはないぞ。はやはや何方へも参れ」と仰せければ、
「此家を陣にとらせぬといふ理屈のあらば、亭主罷り出て、きつと断を申せ」といふた。
(現代語訳) 昔、足利将軍の家来に、むちゃな連中がおって、あろうことか天皇様の御所へ「陣地を作らせてくれ。」と言って、槍のカバーで、門を叩いた。 あわてて、女官が出てきて、「ここは皇居といって下々の者の来るところではない、そうそうに立ち去りなさい。」と説教された。 それを聞いて、「ここへ陣地を作らせないと言うなら、主人(天皇様を指す)が出できて断りを述べるのが筋ではないか(恕)」と、怒鳴ったということである(^^)v
(小噺その二) ある比丘尼、寄合ひて、色々の物がたりをしてあそばれたる所へ、わやくなる者行て、戸の節穴より、わたくし物を、いかにも見事にしたてゝ、によつと出す。
主の比丘尼是を見つめて、「やれやれ、こゝへ何やら知らぬ、蟲めが出た。そこな金火箸を、焼いておこさい。取りて捨てふ」といふ。
金火箸のくる音を聞て、かの物をひきければ、比丘尼うろたへて、「今までこゝにあつた摩羅がない」といはれた。
(18禁につき、現代語訳は遠慮いたしておきます(^^ゞ)
いかがですか?面白いでしょう。 えっ、面白い詰まらんの前に、古文が読めない。
それは、失礼しました<m(__)m> |
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色々と
よう勉強してはりますな~
今日、明日と 中書島にミュージアムトレインがきますえ~
投稿: 華子 | 2010.09.25 11:28
その一は高校か予備校の古文の授業で、その二は某所できいたことがあります。
しかし、訳以前に原文が危ないじゃないですか(ニヤリ)。
投稿: なにわ | 2010.09.25 19:47
>> 華子さんへ
京都検定に限りませんが、なにかに熱中してると、
まわりの出来事が、みな気になってることと関連
してるように思われて困ります(笑)
中書島、今日が最後やし、行きたいんやけどねぇ・・・・
>> なにわさんへ
原文には、もっと過激(^^)なのもありますけど、まぁこのへんで。
投稿: なかっちょ | 2010.09.26 08:48