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2011.04.02

【本】新古今集 後鳥羽院と定家の時代 田渕句美子著

いつも読ませていただいおります、ありんこさんのブログ「ありんこの鉄道写真」で、先日、水無瀬神宮の散策記事が載り、二人の歌人が紹介されておりました。
もう少し詳しく調べてみたくなって、この二人の名前でググって見つけたのが、この一冊です

Kokinsyu01_2角川選書として昨年の秋に出版された、比較的あたらしい本です。
それだけに、本の帯に「後鳥羽21歳、定家39歳。強烈な個性がぶつかり合う時代の熱い息吹に迫る」
と、あるように、最近の新古今集の時代の研究成果に基づいて、当時の歌壇のようすが活写されています。

新古今集の時代というと、ちょうど今から800年前にあたり、歴史的には鎌倉時代初期になります。源氏三代の鎌倉武家政権と後鳥羽院政という平安王朝が同時に並存している、良く考えると変な時代でもあります。

最後は、後鳥羽院が承久の乱で破れ、隠岐に流されて終わるのですが、その間を、後鳥羽院と定家の誕生のころから、新古今集の選定と改訂、完成にいたる隆盛期、そして晩年の隠岐の院と都に残った定家の生き様、さらに院や定家のまわりにあつまる、有名・無名の歌人たちの活躍と、章立てして論述されています。

百人一首のカルタを取られる方なら、ご存知の歌人がたくさん出てきます。それもカルタの絵札のような取り澄ましたお公家さま、お姫様ではなく、当時の日記や歌集にもとづいて、歌合せの前に歌がうまく詠めなくてウンウン唸ったり、上司に取り入ったり、同僚を批判したりと、ナマの歌詠みの姿を見ることが出来ます。

作者が女性ということもあるのでしょうが、ジェンダーの視点から式子内親王をはじめ女流歌人の再評価をされているの面白いです。それと、院の歌壇から弾かれた、いわゆる非主流派の開花にも一章が立てられています。

お正月のカルタを一度引き出しから取り出して、眺めながら読まれることをお勧めしたい本です。さらに興味のある方は、妖艶・有心と表現される、「新古今和歌集」の本文にも触れてみてください。
*
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下鴨神社で再現された、歌合せの様子。向かい合う二人が歌人、中央右手が斎王、奥の衝立の向こうに判者がいる。
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お帰りは、このバナーから「本館」へどうぞ。

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コメント

こんばんわ!
いや~、いきなり弊ブログをご紹介頂き、恐縮であります。m(__)m
あの折はただ石碑の歌をご紹介したのみでしたが、
その後、詳しく調査されたようですね。
ありんこは完全に脱帽であります。
下鴨神社の写真も、すごく綺麗ですね。
これからもよろしくお願いします。m(__)m

こんにちは。

水無瀬神宮は、若き日の(笑)想い出の場所のひとつ
ですから、阪急やJRで通過するたびに気になって
ます。

ご紹介いただいた、「見渡せば山もと霞む水瀬川・・・・」
と、いう季節になりました。

また、水無瀬駅でおりて、ゆかりの桜でも愛でてみたいです。

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