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2011.06.02

【本】父と子と軽蔑の御名において 笠井一成 著

最近、このブログにもコメントをいただいております。笠井一成氏の著作「父と子と軽蔑の御名において」を読ませてもらいました。

笠井氏は、わたしの小学校時代の同級生で、中学から高校は別の学校へ進まれたのですが、また大学で一緒になりました。

卒業以来、お互いにコンタクトが無かったのですが、最近になって偶然わたしのブログを読んで頂いて、またやり取りが始まりました。

笠井氏の略歴などは、ここをクリックしてください。

ご本人は「通俗娯楽小説のつもりで書いた。」と謙遜されてますが、なかなか読み応えのある短編小説集です。

本当は、全編の感想を書くべきなのでしょうけれど、あまりネタバレさすと、本が売れなくなって、笠井君が困る(笑)でしょうから、出だしの2編のみの感想をば。
*
Kasai *
まず「想いが届く日」の書き出し、時代背景もなにもなしに、いきなり原始人のような生活描写があらわれて、通勤電車のなかで「うっ」と、詰まってしまう。
しばらく読むと、「太平洋戦争の南方戦線」が舞台とわかって「戦争もんか」とおもって読み進むと、一変して現代というかひと昔前の日本に舞台は移る・・・・・

「この内容ならこの先の作品も読めそうだ。」と思いながら、次の「カワードの星」へ。

一変して「成田闘争」と「ノンポリ学生」というある意味、懐かしいテーマ。僕は、「戦争が終わあてぇ~」と歌った世代からは、すこし遅れて生まれたのと、関西では一番右派だと目されていた大学へ進んだ手前、「成田」は、まったく別の世界と思ってたし、今でも思っている。

第一、成田空港へ行ったのは、海外へ行くのではなく、成田空港駅を発着する電車を見るための一回だけ。駅のホームからも出ず(正確には、警備がうるさくて出られず(笑) ナリタを語る資格はまったくない。

小説の上とはいえ、僕と同年代と目される主人公は彼女を追って、ナリタの真っ只中に突入する。すごい、これを「恋は盲目」なとどありふれた表現で片付けるのは、筆者に失礼だろう。

以下、親・子・孫三代、数十年の時間軸だったり、数日、いや数時間の濃厚な時のなかで、しかも同じ町、同じ駅といった狭い空間で発生する人々の営みが、数編の小説として綴られている。

なぜか聞いたことのある店の名前や、行ったことのある地名が出てくる。同郷・同年代の作者の本なら当然か(笑)

私小説風あり、オムニバス形式あり、私の好きな推理小説風が無いのはチト残念だが(^^)

淡々とした筆致でかかれている作品が多いが、どれもよく練られていて主人公も脇役もみな自分の意思を持って行動している。おそらくは主要人物は、筆者の分身なのであろう。私のように、日々の生活に追われタマの休みは、ゴロゴロするか、ふらふら歩き回っているだけの人間には、なかなか出来ない芸当である。

著者の目録には、あと2冊の市販された作品「はじめての破滅」と「形見のハマチ」があるようだ。しばらくしたらまた読んでみたいところだ。
*

* 
長梅雨の時期は、外へ出歩けない分、本を読むチャンスです。ぜひ皆さんも笠井君の作品を読んで、感想文を送ってあげてください。
よろしくお願いします<m(__)m>
*
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コメント

なかっちょさん
時々、コメントを寄せてる笠井さんは
お友達でしたか。
機会があれば、読ませていただきます。

ps: なかっちょさんは、わたくしめよりちょっと、「年下の男の子」でした。 
しっかりされているので、お兄さんかと思っていました。ごめんなさい!

残念ながら、京都市内の公立図書館には蔵書はありませんでした。
京都の生んだ偉大な文豪に対して失礼ですよね(笑)

プロフィールには「昭和xx年生まれ」とはっきりは書いてませんが、
「生まれた年に特急「こだま」が走り出す。」と判る人には判るように書いたりしてます(^^ゞ

なお「こだま号」は新幹線のでは無く在来の東海道本線の列車ですので念のため

こんにちは。

梅雨に入りましたね。出かけるのも中々難しくなってきましたので、読書もいいですね。自分はHN通り、本を読むのが遅いので、なかなか数はこなせませんが。

また本を読んでいてよく知っている場所のことが書かれてたら、嬉しいですよね。自分の場合、高村薫という作家の「神の火」という本を読んでいたら、自分も詳しく知っている大阪の町のことが書かれていて、びっくりしたことがあります。

>> slowmotionさんへ

こんにちは。
「速読速解」なんてセミナーまでありますが、
早く読む必要のあるのは、ビジネスの本だけで
趣味の読書は、ゆっくりと味わって 読み込まないと、
もったいないですよね。

高村薫氏は、大阪人ですから「神の火」に関西の話題
を取り入れてるんでしょうね。不謹慎ながらいま流行の
テーマですから、よく読まれてるのかも。

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