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2011.09.03

【本】歴史家のみた日本文化  家永三郎 著

今日は、台風でどこへも出かけられないので、家で本を読んでます(^^ゞ

Ekishi_ka_no_mita その1冊から紹介させてもらうのは、家永三郎先生の「歴史家のみた日本文化」です。

家永先生は、長く東京教育大学の歴史教室の教授を勤められ、2002年に亡くなられるまで、たくさんの著作をだされております。

先生の名前は、いわゆる「家永教科書裁判」で、記憶に残っておりますが、初提訴より終結まで計32年を要し、「最も長い民事訴訟」としてギネスブックに認定されているそうです(^^)

さて、本の内容は、まさに先生の「反権力」「反アカデミック」の精神にのっとって、「アカデミック史学では取り上げられなかった、文化史の裏側に光を当てる。」と副題にある本です。

日本でも、言論の自由が保障されたのは、わずか60数年前のことですし、一般の庶民でも、気軽に発言を公開・保存できるようになったのは、インターネットなどの普及したここ10年前後の事です。

それまでは、「歴史は勝者が作る。」ものでしたし、一般人が仮に書きとめたり、公表したりしても、それを残しておくシステムがありませんでした。

その非常に資料の少ないなかで、残された文献や資料をもとに、

第一部「歴史家のみた日本文化」
第二部「歴史家の書かない歴史」

の2部構成で、論文がまとめられています。個人的には、先生のご主張を完全に肯定するわけではありませんが、いち歴史ファンからみると、非常に教えられる事柄がいっぱい載っています。

花鳥風月、神社仏閣、お能に狂言にお茶に生け花だけが、日本文化ではありません。

歴代天皇に、お公家様、征夷大将軍に、内閣総理大臣だけが歴史を作ったのでもありません。

名も無い庶民、百姓も樵人も漁師も狩人も職人も商人も、長屋の八さん熊さんご隠居さんも、遊女も芸人もやはり歴史を残しています。

ただ、その記録を残せなかったので、いまに正確に伝わっていないだけです。
それを掘り起こして、次代に伝えていくのは、大切な仕事です。

これからの秋の夜長、特に若い方に読んでみられることをお奨めする1冊です。

*

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お帰りは、このバナーから「本館」へどうぞ。

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コメント

面白そうですね。早速読みます。
桜田門外の変の後、雪の中に草履が散らばっており、それは町道場の草履だったので幕吏が聞き込みに来た話とか、死直前のヒトラーがゲーリングに激昂し、逮捕を命じ、その時ゲーリング逮捕に赴いたフランク・ベルンハルトSS部隊司令官が、2006年現在、93歳で存命中だったこととか。
「あのとき私は現場にいました」的な話こそが、歴史の本質をついていると、私も思います。
そういう話を三つ、させてください。
一つ目は1975年(74年?)。私立大谷高校へ通っていた私は、七条通りを西へ行く車列を市電の中から見ました。VIPはエリザベス英女王。私は市電の吊革につかまってゆられながら、英国女王を「見下ろしました」。
二つ目は1978年。日中友好条約締結で、鄧小平が修学院離宮へ来ました。私はそのとき白川通りをバイクで走っていて、機動隊に停められました。信号で待っていると、鄧小平が高級車の中に!
最後は、日本法制史の泰斗、滝川政次郎博士。1981年に東京の佃島で、御姿に接することができました。滝川先生は東京裁判の弁護士で、弁護対象は島田繁太郎海軍大臣。つまり私は、いわゆる「A級戦犯」の弁護士とも会ったことがあるのですよ! どや。

>> 笠井君、こんにちは。

台風は、とくに影響ありませんでしたか?
こちらは、嵐にもならなかったけど、風がきつくてどこへも出られません。

さて、紹介してもらった3つの出会い、鄧小平さんは、
私も修学院道のバス停で見ました。
車列は、一瞬でとおり過ぎたんで、「見えた!」って、感じでしたね。

滝川先生は、平成4年までご存命だったんですね。法律家のかたは
あまり知らないので、てっきり「過去のひと」(失礼)と思ってました。

そういえば教科書裁判以外のことで
家永先生のお名前を聞くことはなかったような・・・

たとえば平安朝の優雅な生活も
ほんのひとにぎりの貴族だけのもだったわけですし

武家社会の権力争いも
指揮を執る武将はごく一部で

いつの世も
社会の土台を支える庶民がいるからこそ
国家は成立するんですよね

これからの日本が
良いリーダーに恵まれる国になりますように

>> wisteria さんへ

こんばんは。
SL総理は出ませんでしたけど、どじょう総理に頑張ってほしいですね(笑)

さて、政治や経済の話題を他に人に伝えるのは比較的簡単(もちろんレベルによりますが)
ですが、意外と文化を知らない人に教えるのは難しいんですよね。

外国語に堪能かは別としても、外国から来られた方から「お能について一言で説明して欲しい。」
「日本の生け花は、"Flower arrangement" と、どう違うのか?」

などと、質問されたらもうお手上げです。

せめて「自分の国のことなのに、こんなことも知らないのか」と
思われないようにはしたいですね。

ええっ。そのときなかっちょさんは修学院道のバス停に? てことは、なかっちょさんと私も接近遭遇していたことになりますね。私がバイクを止められたのは、白川通りと離宮道の交差点北でした。

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