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2012.02.29

【本】建礼門院右京大夫集 女の目から見た平家物語

しばらく「鉄」ネタや散歩ネタが続きましたので、趣向をかえて、古典のお話です(笑)

前に、梅小路公園に平家物語のゆかりの地を訪ねたことを書きましたが、その時に参考した、平家物語の注釈に「建礼門院右京大夫集」(けんれいもんいんうきょうのだいぶしゅう)があったので読んでみました。

Kenreimonin_ukyoudaibu この本は、建礼門院 に仕えた女官の右京大夫という女房が、晩年に若かりし宮仕えの頃の、平資盛(重盛の子、清盛の孫)との恋愛関係と資盛が壇ノ浦に沈んだのちの追憶を中心に書いた自撰和歌集です。

この本の名前と内容くらいは、学生時代から古典の時間に聞いたりして知ってました。

が、いま風に書けば「年増のOLが年下の恋人といちゃいちゃ してた頃を想いだしたり、恋人が自殺したのに、それを忘れられずに悲嘆 に暮れる。」

なんて、内容の日記風の歌物語なんて、「チャンチャラ可笑しくて」 、男が読めるか

と、長いこと思ってました。

大河ドラマの清盛にあわせて、平家物語を読み直し、その注釈書を読むと、決してチャラチャラした恋愛物語ではなく、作者は乱世に生きた女性らしく、自意識も自尊心もあり、また代々能書家をもって朝廷に仕えた家柄の娘らしく、教養もあり、800年も読み継がれてきた名作だとわかりました。

しかも「女の目からみたもうひとつの平家物語」と評せられるように、実際に平家の公達の栄華と没落を目の当たりにした人間のナマの声が綴られています。

平家物語が歴史書というよりは、軍記物として、脚色や誇張がされているのに対して、より源平合戦の時代の実像を伝えているともいえます。実際にこの和歌集の内容が平家物語のエピソードのいくつかに取り上げられたりしています。*
*
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読みどころはいくつかありますが、いよいよ平家が都落ちするときに、

資盛が「いよいよ戦乱にのぞむ覚悟ができました。もしわたしが死んだら、すこしばかりは供養をして下さいね。」

と、右京大夫に、別れを告げに来るところなど、胸に迫ります。

都落ちは、寿永ニ年(1183年)の7月25日。そのすこし前の乞巧奠(きこうでん)-七夕祭の夜空の年に一度の逢瀬にあわせて、右京大夫は毎年恋人を偲ぶ歌を詠んでいます。

テレビの清盛の画面が「汚い」とか「リアルすぎる」とか、ぐだぐた(笑)言ってるあなたも、一度読んでみてください。

源平合戦記にたいする印象が、ガラッと変わりますよ。
いろいろ出てますが、この文庫本が、現代語訳もあり、読みやすいです。

講談社 学術文庫版
建礼門院右京大夫集 1470円
全訳注: 糸賀きみ江

http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2919672

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お帰りは、このバナーから「本館」へどうぞ。

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コメント

歴史は異なった角度から見ると
また違う印象を受けますね

「映像が汚い」って話題になりましたが
私は「リアルでよいのでは?」と思う派です^^

きらびやかな世界は
ごく一部の貴族たちだけのもので
世の中のほとんどの人が
「汚い」世界で生きていたんですよねえ

それにしても、女性が書いた日記風の古典は
どれも面白いですね

>> wisteria さんへ

こんにちは。
最近は、ネットの発達もあって、いままで常識と思ってた事柄も
「えぇ~~! こんな見方もあんのぉ
って、思わせることが良くありますね。

歴史の裏側を教えてくれる本も、専門書だけでなくて、入門書や
新書版もいろいろ出るようになって、面白いです。

wisteriaさんお奨めの「怨霊」の本もまた読んでみますね。

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