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2012.10.16

【本】かくれ里 白洲正子 著

白洲正子さんの紀行文集「かくれ里」を読みました。

実は、白洲正子さんのことはほとんど存知あげてなくて、この本もたまたまブログの常照皇寺の記事に、ち-ぼ-さんから「『かくれ里』を読んで気になりました。いつか行ってみたいです。」というコメントをいただいて、はじめて知ったような次第です。そのときの記事は↓
http://nakkacho.cocolog-nifty.com/main/2007/06/post_5f0a.html

Kakuresato 内容は、京都をベースに、山城、丹波、大和、河内、近江、若狭、越前、伊賀といった近郊の山里を訪ね歩かれて、その中から20数ヶ所のかくれ里を紹介する紀行文です。

旅行記といっても、単なる物見遊山の見て歩きではなく、歴史的・古典的な、文学、美術、芸能(特にお能)に造詣の深い筆者ならではの解説や感想が添えられて勉強になります。

地名や人名や神仏の名などをもとにその変遷を推測して、「もとはこうであったろう。」と推定されるところがよく出てきますが、そこが特に面白く感じました。

この本の初版は1971年(取材は68~70年頃)ともう40年以上も昔のことですが、随所に「最近は、道路が整備されてどこも人であふれている。」とか「古いものがどんどんなくなっている。」とかの嘆きが書かれています。

当時は、まだまだ古き良き時代のものが残っていたように思いますが、このような「昔は良かった。」の嘆きは、いつの時代でもあるもんなんですね

ただ、ちょっと気になったのは、取材と称して、ほとんど運転手付きの自家用車で雑誌の編集者やテレビのディレクターをお供に連れ、秘宝を見たり、土地の名士とお話したりしておられること。一般の人間ではちょっとムリです

私は紹介されたかくれ里にほとんど行ったことがありません。なかには存在すら知らなかったところもいくつかあります。今も、この本の情景が残っているのでしょうか。それとも観光地化されて、あるいは開発の名のもとに消え去ってしまったのでしょうか。

ネットで調べればすぐにでも分かりそうなものでしょうけど、もし行くチャンスがあれば、この本を片手に今昔の対比をしてみたいですね。
*

添付の愛蔵版の表紙は、「重文:日月山水図屏風 (河内長野市:金剛寺蔵)」です。

お寺のHPによれば、今秋は、11月3日(土)10時〜16時にこの屏風の特別拝観があるそうです。南海高野線や近鉄長野線とあわせて拝観してみたいですね。
http://amanosan-kongoji.jp/about/index.html 
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(次回は、伏見港から宇治川堤防の散策の予定です。)
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お帰りは、このバナーから「本館」へどうぞ。

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コメント

なかっちょさん

私も白洲正子さんには、ちょっと興味がありました。
今度、読んでみます。

>> ナンシーさんへ

こんばんは。
最近は、テレビや雑誌で白洲正子さんが取り上げられることが
多いみたいですね。

古美術などに興味がなくても、面白く読める本です。

かくれ里。

川上から、立派な茶碗やお箸が流れてくる伝説。

柳田國男の論考を、久しぶりに思い出しました。

>> 笠井くんへ

柳田先生の遠野物語にもでてきますね。
貧しかった農民の羨望がユートピアを作っていったのでしょうか。

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