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2013.03.19

【本】平安朝のファション文化 鳥居本幸代 著

ひな祭りの日に、下鴨神社に行って、人間お雛さまの束帯と十二単姿を見た話を記事にしましたが、たまたま図書館で、平安時代の衣装風俗をテーマにした本を見つけて読んでいます。

Heiancho_fasson 著者の鳥居本先生は、ノートルダム女子大の人間文化学部の教授で、日本の服飾文化史がご専門です。実は、この先生のおうちは、うちと同じ修学院学区でして、PTAの会合や、氏神様の鷺森神社の雅楽保存会の公演などで、面識があったりします(笑)

本の内容は、まず序章として、平安時代の貴族の生活環境や日常生活一般をとりあげ、続いて、王朝貴族の服飾、色彩と文様、諸行事にみる装束、女文化と男文化と続きます。

それほど専門的な記述もありませんので、べつに平安貴族のことを知らなくても、服飾にあまり関心がなくとも、すらすらと読んで行けます。おそらく大学の教科書として服飾学科の学生向けにまとめられたのでしょう。

これを読むと、平安貴族はお姫様や奥様方はもとより、お公家様も非常にファションのセンスが高く、漢文学や和歌や書や音楽(笛や琴など)や舞踊や蹴鞠などのスポーツ(男性)に秀でていたことがわかります。

特に貴婦人方は、召し使う女房たちをより美麗にセンスよく着飾らせることに熱心だったようで、歌合せなどの晴れの舞台は、ファションショーさながらだったようです。

綴じ込みの重ねの色見本がカラーで綺麗ですが、挿絵がモノクロなのは、ファッションがテーマの本だけに、ちょっと物足りないかも(^.^)

平安文化に興味のある方は、一度ご覧になることをお勧めします。

201303simogamo15
十二単を着ると、裾を引きずらないように、お付きの方が裾を持って歩きます。髪型は、大垂髪というそうです。
*
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十二単の後姿も優美ですね。長く裾を引くのは、裳と呼ばれる後ろ身頃だけの巻きスカートのような服具です。

最後に、この本で面白いと感じたエピソードを、

平安朝の貴婦人は、人に顔を見せないのが,たしなみとよく言われるが、実は、当時の白粉などの化粧品はノリが悪くて、すぐ化粧崩れするので、人に見せたくとも見せられなかったのが本当のところなんだとか


*
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お帰りは、このバナーから「本館」へどうぞ。

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コメント

こんにちは(o^-^o)
なるほど~( ^ω^ )平安朝の貴婦人は、
化粧崩れのお顔を人様に見せない恥じらいと奥ゆかしさ?があったんですね
だから、化粧崩れしても平気でそのまんま、買い物に出掛けちゃう私は、
貴婦人にはなれないんですねプププ(←手抜きの言い訳みーつけた)
当時の行事や立場にもよるのかもしれませんが・・・
ちなみに私は、十二単の時は、髪型はしばったりせずに、
絵巻などにあるような、そのままサラっとおろしているのが好きです

>> mik さんへ

こんにちは。

いくら、教科書では、当時の実態を余さずに書くのが筋(笑)といっても、
あまり本音を書くと、幻滅ですね。

mikさんは、きっと素肌美人だから、化粧水をちょいちょいと
付けるだけで、すれ違う人も振り向くぐらいのマダムに変身できるん
ですよね

この写真のお雛様の髪型は、江戸時代の女官の姿を参考にしたもので、
平安時代のストレートヘアとは違うのだそうです。

こんばんは~☽
今日はお昼から雨が降ってました
平安朝朝廷のファッションの様子が書かれている本を読んでみたいです♪
たまたまテレビでやってましたけどね
「もぬけの殻」
十二単と言うのは俗称で正式名称は「五衣唐衣裳」と。
裳はなかっちょさんの言うとおりで
この裳から抜け出すことを裳抜けと言うそうです。
着るときは大変でも、脱ぐときは紐一本引っ張ってスポッと脱げるそうです。
「もぬけの殻」の語源なんですって~
雑談でした♫

>> na nori さんへ

そーなんですかぁ? 知らなかったです。
勉強になりました

着付けには、かれこれ30分は掛かってましたが、脱ぐのは一瞬
なんですね。
平安朝のお姫様も、私服に着替えたときは、「あぁ~しんどかったわ
と、ため息ついたのかな(^^)

面白そうな書籍ですね。
雅な感じとは別に、重たそうです。
昔の方はがたいが良かったんでしょうか。

>> キハ58さんへ

こんにちは。

「十二単=重くて大変」 と、いう先入観がありますが、
平安時代の織物は、かなり薄く軽く作られていたので、
5枚程度重ねるくらいでは、それほど負担にはならなかったそうです。

でも、本当に12枚も重ねると、身動きも取れないこともあった
のだそうです

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