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2014.02.21

【本】山の神 吉野裕子 著

スマホを買ってから、急に本を読まなくなってしまったのですが(^^ゞ 先週は、氷雨に降られて、散歩も撮影会にも行けない日が多くて、ひさしぶりに図書館から真面目な(笑)本を何冊か借り出して読んでいます。

Yamanokami01_ その中から、ひさしぶりにみなさんにもご紹介したくなった一冊です。

吉野裕子著「山の神」、副題として「易・五行と日本の原始蛇信仰」がついた、講談社学術文庫です。

序章として、「日本の古い神社の起源は、祖霊としての蛇神である。」というところから、この本は書き起こされています。そして原始蛇信仰は、古代のハイテク教義である、「易・五行説」の到来により、表面的には消滅したかにみえるが、実は日本人の信仰の奥深くに今も残っている。と論は進みます。

その例として、日本武尊が伊吹山の神の退治に失敗し、逆に病となり伊勢の国で亡くなるという神話を取り上げ、「日本書紀では、伊吹山の神は、「蛇」として現れたとされるが、古事記では「猪」として現れたとされている。おそらく日本書紀の大蛇のほうがより古い形だろう。」と述べられています。

なぜなら、「蛇を祖霊すなわち山の神とみるのは、古代日本人の考え方」であり、そこへ「中国から当時の最新技術(思想)がもたらされ、それを理解した古代の知識人が、山の神は猪であると考えるに至った。」からだと論考します。 このあと、「山の神は蛇である。」「山の神は猪である。」のニ章にわけて、文献や今に残る山の神に関する風俗・習慣をまじえながら論述が続きます。

第一章は、「日本の古代信仰では、蛇信仰が盛んだった」という説があるということを知らないとなかなか取っつき難いのですが、いったん「そうかぁ(^^)」とうなづいてみると、なかなかに知らなかった、あるいは読み飛ばしたり、見落としてたりした事柄がいっぱいあるのに気づかされます。

第二章の、「山の神は猪である。」という論述も、最初にちょっと説明はありますが、五行Jyunishi_haito 思想(陰陽五行説) を知らないと、なかなか読み進めません(^^ゞ でも中国四千年の歴史に揉まれてきた考え方ですから、近代西洋科学とは、また違いますが、非常に理論的に説明がなされるのが、民俗学の本ではなく、数学や化学の本を読んでるみたいで面白いです。

最後の第三章では、今(と、いっても昭和時代のフィールドワークでしょうけれど)に残る、蛇信仰・猪信仰の実例を取り上げています。

たとえば神社の注連縄、正月の門松、鏡餅これらも元々はヘビだったりイノシシだったりしたんだそうです。 注連縄は、蛇のクネル様子。鏡餅はとぐろを巻いた様子に似てませんか? 

門松は理屈なんですけど、五行説で亥(猪)は木性(簡単に言えば植物全般)に属し、猪に化けてやってくる山の神(年神様)は、当然に木の生えているところを好まれるので、目印として松や榊を立てるようになった。のだそうです。

日本に限らず、東洋の民俗には古代中国の思想がひろく及んでいるのは、よく知られてますが、逆にそれが日本にも伝播するまえの古代人の考え方も、今も色濃く残っているのは驚きました。

また、散歩で古い神社や跡などを見て歩くときに注意すべき事柄が増えて楽しみです
*
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お帰りは、このバナーから「本館」へどうぞ。

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コメント

こんばんは。
昔、ありんこが小さい時に、田舎のおばあさんが、
「み~さん」といって、白蛇を敬っていたのを思い出しました。
たぶん「巳さん」だったのでは?と思います。
懐かしいです。

>> ありんこさんへ

こんにちは。

白蛇を神様のお使い。とするところは多いですね。
ありんこさんもご存知とはおもいますが、奈良の三輪神社の御神体は、
へびのとぐろを巻いた形そっくりの三輪山そのもので、好物の玉子やお酒
が供えてあります。

弁天さまや水神さまとして祭られている所も多いです。
へびの特異なかたちが、昔の人には神様にみえたのでしょう。

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