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2017.12.08

木島櫻谷展をみてきました。

京都文化博物館、泉屋博古館、櫻谷文庫の3ヶ所で共催されていた、木島櫻谷展を3週にわたって見てきました。
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木島櫻谷は、明治10年に京都市中京区で生まれ、昭和13年になくなるまで、多くの作品を残しました。

一時は文展・帝展に毎年のように入選し、近代京都画壇を背負うエースとして活躍しましたが、いつしか画壇を離れ、隠遁生活に入ってしまい、最近まで忘れられた作家となっていました。

近年、回顧展が開かれ散逸していた作品も再発見されたりして再び人気急上昇中(^^)です。
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最初に行ったのは、京都文化博物館です。この博物館は櫻谷の生家から数百メートルしか離れていない場所にあり、地元の旧家から発見されて京都府に寄贈された作品を中心に展示してあります。

櫻谷は、動物画を得意としましたが、人物画や風景画も多数のこしています。

いずれの作品も画家の卓越した技量を今に伝えています。
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次に行ったのは、鹿ケ谷の泉屋博古館です。

「動物画の冒険」とのタイトルをつけて、櫻谷の十八番の動物画をメインに展示してあります。

目玉は、写真の「かりくら」です。なんと100年ぶりに発見されボロボロの状態から見事に復元されました。高さ2m50cmの大作です。狩り競べをする武者絵ですが、お侍より馬が主題ともいわれるところは動物画家らしいですね
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他にも傑作はたくさんありますが、わたしはこの「和楽」と題された屏風絵が気に入りました。明治末期の京都洛北の農家の様子を写生して仕上げたといわれています。

私の子供時代(昭和30年代)の洛北にはまだこの絵そのままの情景が残ってましたね。牛も馬もニワトリもいたし、鍬で田畑を耕しているのもみました

ところで、この美術館はいつも渋い企画が多くて、なかなか理解が追いつかないので足が向きにくいのです

その分観覧者は少なくてゆっくり鑑賞できるのですが、今回の櫻谷展はNHKの日曜美術館で紹介された直後でかなり混んでました

テレビに映る前に行けば良かった
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最後は、櫻谷文庫(木島櫻谷旧邸)です。日本家屋、洋館、画室の3棟からなっています。ここも櫻谷人気で、多くの観覧者がありました。

ここに古い洋館のあるお家があって櫻谷文庫の看板がでているのは前から知っていたのですが、いつも門が閉ざされていったい誰のお宅なのか気になっていました。

ここが木島櫻谷という画家の住まいと知ったのは最近です。(3年前の回顧展の新聞記事でみたかなぁ)
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日本家屋と洋館には、櫻谷の作品が展示されています。

なんとすべて撮影OKです。圧巻は日本家屋二階の虎図の下絵の連作、10枚ほどありました。ほかに今まで見て来た本絵の下絵やデッサンなど貴重な品がありました。

「かりくら」もこの家の棚にホコリをかぶって100年も眠っていたそうです(^^;
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これは、画室です。採光を考慮して南向けに大きなガラス窓を入れ、天窓も設けられています。

ここで作品を作り、弟子を指導したんでしょうね。
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晩年の櫻谷は、公務から退き、画壇からもはなれ衣笠の地で悠々自適の生活をおくります。

しかしいつしか精神を病んで、昭和13年秋、枚方ちかくで京阪電車に轢れて非業の死をとげます。62歳でした。

この晩年のふるまいが、忘れられた作家になってしまった一因なのかとも思われますが、この展覧会を機に埋もれていた作品がさらに再発見されてもっと人気のでることを祈りたいですね。
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(次回は、大阪のギャラリー巡りです)
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お帰りは、このバナーから「本館」へどうぞ。

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