2019.05.11

京の初夏の散歩 大原野の古社・古刹を訪ねて(後編)

 
  5月4日は、大原野の古社・古刹を巡拝してきました。
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  正法寺をあとに、向かい側に鎮座される大原野神社にお参りします。
この神社は、長岡京遷都の際に、奈良の春日大社の神々をお祀りしたことにはじまりやはり1200年余りの由緒を伝えます。
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  猿沢池にまねて造くられた鯉沢の池。水蓮池になっています。
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  満開の時に来たかった「千眼桜」。1本の枝にぼんぼりのように花が咲き、眼がたくさんあるように見えるところから、こう呼ばれます。

また花の時期が非常に短くて3日程度で散ってしまうので、「幻の桜」とも呼ばれます。

来シーズンは「現実の桜(笑)」にしたいですね。
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  春日大社の分祀なので、狛犬のかわりに神鹿を祀ってますね。
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  大原野神社から花のお寺へは石段や急坂のある参道をたどります。
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  仁王門。応仁の乱の兵火を逃れた平安初期の貴重な遺構です。

 
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  元は塔頭が立ち並んでいたであろう広い境内を進みます。今は山林や竹林になっています。
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  この石段を昇るとようやく、庫裏の受付です。
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  滴るような青もみじに覆われた本堂。
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  ねがはくは花のしたにて春死なんそのきさらぎの望月の頃」と詠んだ西行法師ゆかりの西行桜。

史実では文治6年2月16日(1190年3月31日-この日が満月らしい)に大阪府の南河内町の弘川寺で亡くなったそうで、まさに願い通りの大往生と当時の人々のニュースになったそうです。
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  花の寺の隣の、国宝の如意輪観音半跏像の祀られる寶菩提院願徳寺に参ります。

山吹に咲く、石段を昇り、インターフォンで来意を告げて入山します。
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  国宝「如意輪観音半跏像」撮影禁止のため、ウィキペディアの画像を貼っておきます。

最初は、座って下から見上げるように拝したところでは、柔和なお顔に見えましたが、失礼ながら立ち上がって、にらめっこするように真正面からご尊顔を拝すると、打って変わって凛々しいお姿になられました。

たまたま他に参拝者がいらっしゃらなかったので、数分間じっと見つめ続けさせていただきました。

南無観世音菩薩(合掌)

 
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  非常に濃い大原野の散策でした。また近いうちに再訪したいところです。

帰りみちに咲いていたヤマツツジ
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  (次回は、叡電ネタです)
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2019.05.10

京の初夏の散歩 大原野の古社・古刹を訪ねて(前編)

 
  5月3日の憲法記念日は、洛西大原野の里を散策してきました。大原野神社や花の寺のある大原野地区は、なぜかエアーポケットのように今まで訪ねたことがないのです。

たまたま新前仏師こと瑞康仏師様のブログで、
http://kinotsubuyaki.cocolog-nifty.com/blog/
寶菩提院願徳寺の如意輪観音半跏像のことを教えていただき、桜の見頃に行きたかったのですが、バタバタしているうちに葉桜の時期になってしまいました(^^;
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  阪急桂駅、洛西口駅、JR桂川駅などからのバスで洛西ニュータウンの洛西高校前で降ります。ニュータウン内には4社局のバスが乗り入れています。4種類のバス停が並んでいるのは壮観ですね(^^♪

大原野地区まで行くバスもありますが本数が少ないので、ここから歩きます。
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  しばらく歩くと新興住宅地は終わって、長閑な旧街道になります。この付近は柿の名所なので「柿街道」などと呼ばれているそう(^^)
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  レンゲ畑は、見かけなくなりましたねぇー

タンポポにクローバーに黄カタバミにスギナもありますね。早春にはツクシも生えたんでしょう。
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  今の時期はタケノコのシーズン。ここ西山の筍は日本一の品質との呼び声が高いです。

去年の秋口から竹藪を手入れして大事に育てているのですから、当然といえば当然ですね(^^)/
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  もよりの柳川バス停の情景。ここまでくるバスは一日数本しかありません(^^;

なんか、侘しい........
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  大原野神社の前に正法寺というお寺があるのでお参りします。

寺伝では1200年余りまえ天平勝宝年間の創建と伝えられる古刹だそうです。

 
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  このお寺は、石庭が見所なのだそうです。山門を入ったところの前庭。
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  奥庭の石庭の部分
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  奥庭の池泉庭園部分

(クリックすると拡大します)
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  境内にある朱塗りの遍照塔
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(続く) (次回は、大原野神社から花の寺へ回ります)
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2018.08.18

秋を感じる日に嵯峨野散策

お盆が済んでから、急に涼しくなって秋を感じられるようになってきました。

そよ風に誘われて、嵯峨野を散歩してきました。
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しばらく嵐電北野線を撮影してから宇多野駅からアップダウンの激しいバス道路を20分ほど歩くと広沢池のほとりにでます。

池を渡る風、空の白い雲、もう秋ですね(^^)
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前夜は五山の送り火「鳥居形」や灯籠流しの見物客で賑わったでしょうけど、いまは歩く人はまばらです。
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さて、大覚寺の裏山に何か崖崩れのようなものが見えます。肉眼では遠すぎて判別できませんが、道路のようにもみえます。

「はて、あれは何だろう?」と、気になります。
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はや穂をだして頭を垂れ始めた田んぼに、いよいよ「秋」を感じながら、嵯峨野らしい竹林の小径をたどります。

いつもは、広沢池から大覚寺に直行するので、この道は初めて歩きます。
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先ほどの、崖崩れのようなものは、なんと嵯峨天皇嵯峨山陵の参道でした。

やはり数年前の渡月橋が流されそうになった台風の大雨の時に、この山道も崖崩れが発生して、大規模な補修工事が行われたようです。
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その参道からみた嵯峨野のパノラマ。手前の森は大覚寺の庭園。朱塗りの心経宝塔に大沢池、広沢池と続きます。
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山を下りて、またバス道路を避けて旧道をJR嵯峨嵐山駅へ。
途中には野菜の無人販売所が多く目につきました。

有名な嵯峨豆腐のお店は夏休みで、買いに来た観光客のガッカリ した表情が、ちょっとかわいそう。

コンコースに、氷柱が立ててありました。この日はクーラーもいらないくらいでしたが、バックの「嵐山春秋」の絵に夏を書き加えてますね(^^)
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梅雨時に集中豪雨では、また冠水しそうになって通行止めになった渡月橋ですが、その後は猛暑が続いて水量少な目。

でも、まだ川床には重機がはいって次の豪雨に供えて工事中ですし、保津川下りの和船は欠航中でした。

久しぶりにながい距離をあるけました。
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(次回は、京都のギャラリー巡りです)
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2018.03.24

京の早春の散歩 梅宮大社の神苑

3月18日も、良い天気でしたので、梅宮大社の神苑に行ってきました。
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梅まつりも終わり、梅の花は盛りを過ぎた感じでしょうが、椿が見ごろと思ってのお参りです。
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神苑にはいるとまず池の周りをめぐっていきます。梅はまさに満開、こぼれんばかりに花をつけています。
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椿も見ごろを迎えていますが、今年は冬が厳しく寒気の影響か、鳥や虫がついばむのか、痛みの目立つ花が多いですね。

なるべくきれいな花を選んで写していきます。
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逆に、落ち椿はすこしキズのあるほうが、風情が感じられますかね。
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しばらく行くと、ヤマブキが満開になっています。黄色でもレンギョウなら早春の花ですが、山吹は晩春にイメージですよね。
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ここへ来る前に、おなじくヤマブキの名所の松尾大社にお参りしてきたのですが、そちらはまだぜんぜん咲く気配もありませんでした。

わずか数百メートルで気候が変わるはずもないので、品種の違いなんでしょうね。
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椿と山吹、イロドリは良いです(^^)
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早いといえば、ツツジも咲いてます。

ツツジとヤマブキのコラボは、もうGW前後の撮り物では
季節感が、崩れます(^-^)
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早咲きの桜も咲いてました。ばっくのツツジとのコラボも遅咲きの八重桜ならあるような気がしますが・・・・・
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最後は、再び梅園になって、スイセンの黄色とのコラボです。
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カワイイ小振りな椿に見送られて、出口をでて再び社務所に戻ってくると、
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おそらくイチハツでしょうけど、アヤメが生けてありました。

いやはや初夏の季節先取りの好きなお宮さんです
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帰りは旧参道を。門前の時代劇のセットのような情景、いつ来てもホッとしますね。
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(次回は、嵐電ネタです)
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2018.02.16

寒いので桂温泉仁左衛門の湯へ

建国記念の日の3連休は、初日は、2日目は/、3日目はでした。

でもどの日も寒かった
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12日の朝のお散歩の途中にみた比叡山。川面を吹く風は凍えるほど冷たいです

でも、なぜか雪は降りません。かといって気温だけは低いので春告花の開花も遅れるモノトーンの街並みはぜんぜん写欲をそそりません
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それで、10日に京都芸大に行ったときに目についた、桂仁左衛門の湯に行ってみることに。

京都市内はは少ないですが、ここはリーズナブルな料金でそれなりに(^^; 楽しめます。

分析表によれば、2本源泉があって、1号は単純温泉、2号はナトリウム─塩化物炭酸水素塩温泉とのこと。
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湯船につかると、肌にまとわりつくようなヌルっとした温泉独特のお湯の感じ。いいですね~

寒いですが、露天風呂にも入ってみました。こちらのほうはサラッとしたお湯です。1号源泉かもしれません。

源泉を引いた水風呂もありますが、流石に真冬は
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風呂上りは、すぐ近くのビール工場の生 かクラフト といきたいところですが、ドライバーが管理人ひとりなので、お茶で我慢して向かいのファミレスへ。

やはり温かいものをと、天ぷら盛り合わせぶっかけうどんセットを頼みました。

かけ汁がメチャ熱かった(^^; 温玉天ぷらが特に美味しかったです。
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(次回は、京都のギャラリー巡りです)
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2017.08.19

京の夏の散歩(その6)川下り舟とトロッコ列車

8月13日の日曜は、朝から涼しくて散歩日和。また嵐電に乗りたくなって嵐山まで行ってきました。

千光寺大悲閣を下りて、保津川べりでしばらく休憩することに。
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旅館の船着き場になっていて、ときどき送迎用の舟が発着します。
上流からは、数分毎に保津川下りの和船もやってきます。
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この付近からようやく流れも緩くなって、乗客も船頭さんもホッとひと息。

そこへ煮売り舟がやってきて、お菓子や飲み物を売りつけます。
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待つことしばしで、トロッコ列車がやってきました。

でも線路沿いに木が茂り過ぎてぜんぜん見えない
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木々の間から列車を写すとこんな感じ(^^♪
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舟と列車のコラボは、これが精一杯

初冬か早春の木の葉が落ちる時期にまた来ましょう
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再び渡月橋を渡って、嵐電嵐山駅から帷子ノ辻駅まで移動します。
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(続く) (次回は、嵐電を撮影します)
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2017.08.18

京の夏の散歩(その5)嵐山の千光寺大悲閣へ

8月13日の日曜は、朝から涼しくて散歩日和。また嵐電に乗りたくなって嵐山まで行ってきました。
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嵐電を降りて、渡月橋を渡ります。

酷暑が続いたわりには、水流は豊かですね。
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保津川の左岸をさかのぼっていきます。
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涼しげな景色をながめながら、ぶらぶらと15分ほど歩きますと遊歩道はおわり、大悲閣千光寺の石段がはじまります。
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意外と急な上り坂にひと汗かいたところで、山門をくぐり
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ワンちゃんがお出迎えしてくれると境内に到着です。
(HPによると「すみれちゃん」だそうです)

このお寺は、保津川や高瀬川の水運を開いたことで有名な、角倉了以翁が江戸時代初めに中興しました。本堂には恵心僧都作とつたわる千手観音と了以の木像が奉られています。
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手前に小倉山、向こうに京都市街から東山が望めます。比叡山・大文字山・将軍塚(華頂山)・清水山・稲荷山と続き、その後ろには音羽山が霞んでみえました。

左手の欄干は、大悲閣です。
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山肌に迫り出すように建てられた大悲閣の縁側からのながめです。

木の床がミシミシいって、ちょっと落ちそうで怖い
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嵐峡を吹き渡るそよ風とともに、萩の花も一輪咲きだして、夏の終わりを告げているようでした。
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(続く) (次回は、川下り舟とトロッコ列車です)

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2017.05.15

京の初夏の散歩(その2)きぬかけの路と華頂の道

       
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Kawaramachi_imadegawa01_2 GWも終盤の5月6日は、春の京都非公開文化財の特別公開で、洛西のきぬかけの路とギャラリー巡りで洛東の精華の道を歩いてきました。

この日は、午後から雨の予報なので、時間節約に出町から金閣寺まではバスを利用。急行バスなので速いです(^^♪

<注>この記事内の写真は、クリックすると拡大します。
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201705_4kinukake01_2 衣笠からきぬかけの路をあるいて、御室仁和寺まできました。すでに遅咲きの御室桜も葉桜になって、境内は静かになっています。

国宝の金堂と重文の経堂が公開されます。金堂(本堂)は、元は京都御所の紫宸殿を移したもので、最古(桃山時代建造)の紫宸殿の遺構だそうです。

内部は、御殿から仏殿に改装されてますが、一段高い仏座は高御座のおかれた跡だとか。背後の極彩色の壁画が美しい
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201705_4kinukake02 経堂は、その名の通り経典の収蔵庫。内部には八角の回転式の書架が置かれてます。

書架には引き出しが800個もの引き出しがあり中にお経が納められてます。

それぞれの引き出しには千字文という漢字の練習帳の漢字が順番に振られナンバー管理中

このお堂も内部は極彩色の壁画で飾られてます。普段は閉め切られて真っ暗なようなので、何百年も色が残ったんでしょうね。
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201705_4kinukake03 仁和寺をでて、近くの福王子神社へ。

仁和寺を開かれた宇多天皇の母で、光孝天皇の后である班子女王をお祀りします。

小さなお社ですが、重文指定(江戸時代初めに徳川家光が造営)

班子皇后が多くの子宝に恵まれたことから福王子と名付けられたとか。いまでも安産・子育てのお参りが多いです。

お宮参りのお札の犬張り子がカワイイ
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201705_4kinukake04 福王子から北へ少し上がったところに、次の非公開寺院、妙光寺があります。

非公開でも、大概の寺社は名前くらいは知ってますが、このお寺はまったく知りませんでした
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201705_4kinukake11 鎌倉時代に開かれ、京都十刹の第三位の寺格を誇る大寺院でしたが、戦乱や自然災害で荒廃し、忘れられた存在になってしまったようです。

広い境内ですがあまり整備はされておらず、痛々しい感じもします。
境内には、野々村仁清の墓と伝えるお墓があります。

本物だとして、世の名声にくらべて、非常に質素なのに驚きました。薄葬を命じたのでしょうか。
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201705_4kinukake05 妙光寺をでて、嵯峨野の遍照寺にむかいます。

途中に、「鳴滝の大根焚き」で有名な了徳寺があるので、寄ってみました。

旧街道に沿った意外と小さなお寺でした。

師走の風物詩としてテレビや新聞でみる写真で、大寺院かと思ってたんですけど
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201705_4kinukake06 旧街道には、こんな茅葺屋根の民家もありました。

玄関前の、発泡スチロールの箱が艶消しなんですね
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201705_4kinukake07 きぬかけの道は、宇多野の丘陵地を越えて、嵯峨野に入ります。

広沢池の水面が広がります。

左奥は大覚寺、五山の送り火のひとつ鳥居形の灯る曼荼羅山そして愛宕山と続きます。
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201705_4kinukake08 正面は遍照寺山。

その昔は、これから参る遍照寺がこの山の麓を中心に池の周りに大伽藍を広げていたそうです。

今の遍照寺は、池から南へすこし入った所にあります。

整備された境内が美しいです。
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201705_4kinukake09 このお寺では、十一面観音菩薩像と赤不動像が公開されました。どちらの仏さまも、平安中期このお寺が開かれた頃(989年前後)に彫られたと考えられています。

時は、一条天皇の御代、藤原道隆や道長、定子皇后、彰子中宮に清少納言や紫式部、和泉式部が活躍した時代ですぞ。

しかもこのお寺には、源氏物語の夕顔の巻のモデルになった、具平親王と大顔の悲恋話が残されていたりします。

観音さまもお不動様も、平安貴族やお付きの女房方と対面されてるかもしれませんね。
*
201705_4kinukake10 前に、「桃山時代の作(450年ほど前)で、信長や秀吉を見ているかも知れない。」と説明された仏さまをみて、「へぇー!」って思ったことがありますが、
上には上(約1000年前)がいるもんだ
*
Yamagoe01 さて、午前中のきぬかけの路の散策を終えて、バスで、一気に四条京阪前まで移動します。

バスに乗ってすぐに雨が降ってきました。でも40分ほどの乗車時間のうちに雲は移動し、バスを降りた時には傘は不要でした。

良かったです
*
201705_5kacyou01 祇園町を抜けて、知恩院さんに向かいます。

順番が逆になりましたが、前に紹介した、田上晃庸さんの写真展「Flow-道-」を見るためです。

新緑に覆われた華頂山が目に痛いくらいですね(^^)
*
201705_5kacyou03 写真展を見終わって、本山さんにお参りします。

鶯張りの廊下を歩くと、キュッキュッと鳴って面白いですね。

子供の頃は走り回ってよく怒られました
*
201705_5kacyou04 お参りを終えて、新門前通りを下っていくと小さな流れにぼたん桜の花いかだが

回りは初夏なのに、ここだけ晩春が取り残されてるみたい。
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201705_5kacyou05 花いかだの上には、つるバラが垂れ下がっていい感じ。
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201705_5kacyou06 白川の一本橋を渡って、古川町商店街へ。
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201705_5kacyou08 偶然、ギャラリーを見つけてまた立ち寄りました。

京都精華大のマンガ学部のOB・OGの四人展です。

漫画の原点のカートゥーン、似顔絵、見立て絵、オリエンタルな絵、どれも個性的(*^_^*)

仏様ばかり見て歩いて、すこし抹香臭く(失礼)なったこの日のお散歩の、リフレッシュになりました
*
(次回は、草津に藤祭りを見に行きます)
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2017.05.05

京の春の散歩(その14)晩春から初夏に移るなりひら寺

4月30日に、乙訓寺の牡丹苑を見たあと、乙訓丘陵を越えてなりひら寺(十輪寺)までハイキングしてきました。
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境内にはいると、さすがに伊勢物語の主人公とされる業平卿が晩年を過ごしたと伝えられる山寺だけあって、優雅なたたずまいです。

世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし

 (古今集 巻1 春歌上 53番、伊勢物語82段)

にちなむ業平桜はすでに葉桜でしたが、渡り廊下を越えて伸びる枝ぶりは見事です。

ちなみに、この和歌は古今集の詞書や伊勢物語によれば、業平が惟喬親王のお供で交野に狩りに行き、いまの枚方市の京阪御殿山駅近くにあった渚の院で花見宴を開いたときに詠まれたそうです。
*
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受付での案内に従ってお寺の裏山に登ります。若葉と黒い甍の取り合わせが美しいです。
*
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そこには、杉の大木に守られるように、業平卿の墓がありました。

 つひにゆく道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざりしを

 (古今集 巻16 哀傷 861番、伊勢物語125段)

元慶4年(880年)5月28日卒去、享年56歳。命日の5月28日は、業平忌の法要が行われます。
*
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さらに上ると、こんな山の中に塩竃の跡がありました。

 大原や小塩の山もけふこそは神世の事も思ひいづらめ

 (古今集 巻17 雑歌上 871番、伊勢物語76段)

忘れがたき恋人二条后(若いころ業平が盗み出して、芥川まで逃げる話は、伊勢物語6段に書かれ、有名ですね(^^♪ )が、近くの大原野神社に参られたときに、塩竃から紫の煙を上げて、昔の忍ぶ恋を確かめ合った

と、伝えられます。
*
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山を下り、本堂に向かうと新緑の季節に真っ赤に紅葉した楓が

 千早ぶる神代もきかず龍田川からくれなゐに水くくるとは
 (古今集 巻5 秋歌下 294番、百人一首17番)

この百人一首でも知られた歌-落語のネタやアニメ映画になるくらいですから-を意識しているのは、間違いないでしょうね(^^♪
*
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本堂には、本尊の延命地蔵菩薩がまつられ、回りの壁には仏画と並んで、業平の肖像画が掛けられています。

六歌仙や三十六歌仙絵では、弓矢を背負った武官(史実では右近衛中将に任官)姿が多いですが、ここでは宝塚ばり の貴公子姿をあげておきましょう。

 月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身ひとつはもとの身にして
 (古今集 巻15 恋歌5 747番、伊勢物語第4段)
これも、引き裂かれた恋 を嘆く歌ですね。
*
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本堂の横には、茶室があって、六歌仙の屏風絵が飾られています。

美男子とくれば美女でしょうから、小町と業平の相聞歌を載せておきます。

秋の野に笹分けし朝の袖よりも あはで寝る夜ぞひちまさりける
  <業平>
みるめなきわが身を浦と知らねばや離れなで海人の足たゆく来る
  <小町>
 (古今集 巻13 恋歌3 622・623番、伊勢物語25段)

詳しい解釈は、ネットで調べてもらうとして(^^; 早い話、小町は業平をお断り(^-^)するわけですね。

*
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伊勢物語の世界にどっぷり浸れて、心の洗われるひと時でした。山道を歩いてきたかいがあったというものです(^^)
*
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3月の梅見とともに歩き始めた、春の散歩ですが、4月最終日をもって打ち止め、次回からは初夏編をお送りします。

続けて読んでやってくださいね(*^_^*)
*
(次回は、ギャラリー巡りです)
*
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2017.05.03

京の春の散歩(その13)乙訓丘陵、善峯道を歩く

4月30日に、急に思い立って乙訓寺の牡丹苑を見てきました。

朝早くいったので、お寺を出たのがまだ8時半すぎ。まだ十分時間はあるので前から行きたかったなりひら寺(十輪寺)にお参りすることにしました。
*
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旧街道を北に向かい善峯道に入ります。西国街道から別れて、西山の中腹にある善峯寺へ向かう参詣道です。

昔からの農家が続く曲がりくねった小径は、散策にもってこい
*
201704otokuni13
やがて道は竹林の中に入っていきます。この付近は乙訓の竹の子の産地です。

掘り取られなかった竹の子がニョキニョキと伸びてます。
*
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特別な鍬を使って竹の子を掘る姿も見られます。
*
201704otokuni15
竹林を抜けると田畑の広がる気持ちのいい風景が現れました。

目的地は、向こうの山の麓、まだ道のりは半分くらいかな
*
201704otokuni17
小径の両側には、山野草の花が目立つようになりました。

これは野イチゴでしょうか。
*
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アザミとウマノアシガタ
*
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レンゲ畑
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シャガ
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201704narihira01
1時間近くあるいて、ようやく十輪寺の参道につきました。青葉のトンネルのような参道を通って本堂に向かいましょう。
*
(続く) (次回は、なりひら寺に参ります)
*
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